長く中国で暮らしていると、国際ニュースに対する「報じ方の違い」を、
肌感覚として強く意識する場面が増えてきます。
今回取り上げたいのは、アメリカによるベネズエラへの軍事行動についての報道です。
同じ出来事でありながら、中国と日本では、まるで別の事件を見ているかのような
報道の違いがありました。
この記事では、中国メディアの論調、日本の報道姿勢、そして中国で生活しているからこそ
感じる違和感を、できるだけ冷静に整理してみたいと思います。
目次
米国によるベネズエラ攻撃とは何が起きたのか
まず、事実関係を簡単に整理します。
アメリカは、ベネズエラのマドゥロ政権に対し、
「民主主義の抑圧」「人権侵害」「麻薬取引への関与」などを理由に、
軍事的・準軍事的な圧力を強めました。
具体的には、
・ マドゥロ政権幹部の拘束
・ 軍事行動を伴う強制措置
・ 国際社会への圧力
などが報じられています。
この出来事自体は、日本でも中国でも大きく取り上げられました。
しかし、そこから先の伝え方が大きく異なります。
中国メディアが伝える米国ベネズエラ攻撃の論調
「国際法違反」「主権侵害」という強い表現
中国のニュースを見ていて、まず目につくのは言葉の強さです。
・「明確な国際法違反」
・「主権国家への侵略行為」
・「アメリカの覇権主義的暴走」
こうした表現が、ほぼ例外なく使われています。
中国メディアでは、
アメリカの行動=悪
という構図が最初から出来上がっており、疑問や別の視点が入り込む余地は
ほとんどありません。
ベネズエラ擁護と安保理批判が中心
報道のもう一つの特徴は、
・中国とベネズエラの「友好関係」
・安全保障理事会での米国批判
こうした外交的立場を強調する内容です。
「国際秩序が崩壊する」
「小国が犠牲になる世界になる」
といった、理念的な主張が繰り返されます。
一方で、
・マドゥロ政権側の問題点
・国内情勢の複雑さ
について触れられることは、ほとんどありません。
日本の報道はどうだったのか
まずは「何が起きたか」を淡々と伝える
日本のニュースでは、
・いつ
・どこで
・誰が
・何をしたのか
という事実関係の整理が、まず最初に来ます。
感情的な言葉は比較的少なく、
「拘束された」「軍事行動があった」
という事実を淡々と伝えるスタイルです。
各国の反応を幅広く紹介
さらに日本の報道では、
・中国の反発
・ロシアの反応
・欧米諸国の評価
・国連での議論
など、複数の立場が紹介されます。
もちろん、日本のメディアも完全に中立とは言えません。
しかし、「良い面・悪い面」「賛成・反対」が併記されている点は、
中国報道と大きく異なります。
日本政府の「あいまいさ」も議論される
興味深いのは、日本政府の姿勢そのものが議論の対象になる点です。
・「アメリカ寄りすぎではないか」
・「国際法の観点から問題では?」
といった日本国内の批判的意見も、そのまま報道されます。
「もし中国がやったら?」と考えてみる
ここで、私自身が強く感じたことがあります。
「もし今回と同じことを中国がやったら、中国メディアはどう伝えるだろうか?」
おそらく、
「国益を守る正当な行動」
「国際秩序を守るため」
という表現になり、
「良い面も悪い面もある」とは伝えないでしょう。
そう考えると、
日本の報道も立場によって偏る可能性はありますが、
中国報道の一方向性は、やはり際立っていると感じざるを得ません。
情報規制のある社会で暮らして感じること
中国で生活していると、
「報道されない情報がある」
という前提でニュースを見るようになります。
これは中国人も同じで、
多くの人は「全部が真実だ」と思っているわけではありません。
ただし、
・他の視点に触れる機会が少ない
・公式報道が圧倒的に多い
ため、どうしても一方向の理解になりがちです。
私自身、
中国メディア → 日本メディア → 海外メディア
と複数を見ることで、初めて全体像が見えてくると感じています。
真実は一つではなく、視点の数だけ存在する
今回のベネズエラ問題に限らず、国際情勢では、
・正義と悪
・被害者と加害者
を単純に分けることはできません。
だからこそ、
「どこからの情報か」
「誰の立場か」
を意識してニュースを見ることが大切だと、中国に住んでいると強く実感します。
まとめ:中国に住んでいるからこそ考える情報の受け取り方
中国の報道は、確かに偏っています。
しかし、日本の報道も万能ではありません。
大切なのは、
・一つの報道を鵜呑みにしない
・複数の視点を知る努力をする
ことだと思います。
情報規制の厳しい中国に住んでいるからこそ、
「考える力」「疑問を持つ姿勢」の重要性を、日々感じています。
これからも現地で見聞きした事実と、日本側の視点を整理しながら
中国関連のニュースを発信していきたいと思います。
みなさんは、今回の米国ベネズエラ攻撃について、どう感じましたか?

おまけ(明けましておめでとうございます。)
明けましておめでとうございます。
今年が読者の皆様にとって飛躍の年になりますように!
季節感のない正月がここ中国で過ぎました。
やはりこちらは旧正月に大型連休があるので、
その連休期間中に日本へ一時帰国する予定です。
(ちなみに今年は2月中旬が旧正月の元日にあたります)
日本の冬は寒いだろうな。。。 大丈夫かな~ と不安に感じる今日この頃です。






