中国の地域格差縮小と都市部の人手不足

中国では日本と比べ物にならないほど

地域格差があります。

一昔前は、農村部ではほとんどの若者が

都市部へ出稼ぎに出てしまっているので

農村=じーさん、ばーさん、クソガキしかいない場所

という感じがありました。

(きゃー、お下品な言葉使い~)

中国おもしろ珍道中,中国の時代変化

しかし、日本と違い権力のある中国政府は、

本腰を入れて地域格差を縮小しようと

力を入れているため、その地域格差はドンドン

縮小してきています。

地方の企業に優遇策をとったり

地方のインフラ整備をしたり

地方が笑い、都市部が泣くような事を国ぐるみで

実行してきている成果と思われます。

そのへんに少し触れた参考記事

『中国の底力! 農村部の発展』

 

その地域格差縮小の動きの火の粉をかぶってしまうのが、

日本企業をはじめ中国都市部に進出してきている

外国企業ということになります。

 

もう有名な話だと思いますが、

北京エリア

上海エリア

華南エリア

と工業都市として有名なエリアで

ワーカーを募集してもなかなか人員が集まらない

というわけです。

 

今回私の働いている会社で、実際に

旧正月前から10人ワーカーの募集を掛けたのですが

かなり苦戦しました。

 

(旧正月前)

正直、旧正月前の求人と言うのはかなり無謀な事です。

基本的に、中国人は旧正月には里帰りをして

1年で最大のお祭りである”春節”を故郷で迎える!

と言うのが、常となっているため、

ほぼ不可能なことです。

探せたとしても、よい人材を探す事はかなり厳しいでしょう。

しかし結果的に 2人も集まりました。

(ここは”も”を使うべきだと思います。)

 

(旧正月後)

旧正月後は、昔と比べ数が減ったとはいえ

”さーこれからいっちょ働くか~”と言った感じの

出稼ぎ労働者がまた都市部に戻ってくる時期なので

一気に人が集まりました。

ただ、昔とはかなり状況が違います。

 

結論から言うと、

”キャンセル率が高く、売り手市場になってる”

と言うことです。

 

昔は、50人の募集をかけると200人くらい集まり

採用する側は、

”優秀な人を選ぼう!”

と言う感じで、完全なる”買い手市場”でしたが、

今は、売り手市場なので50人募集をかけても

まず希望の50人は集まらないでしょう。

よって、採用する側は、

”極端にアホなやつ以外は全員採用!”

と言う感じで、基本的に”来るものは拒まず!”

になってしまっているのです。

 

さらに採用後、すぐに会社に来なくなることも多いので

面接時の仕事内容の説明に十分気を使ったり

入社してからも新人を退屈させないよう気を使ったりと、

細心の注意を払います。

(あ~、昔の”言うこと聞かんやつは即クビ!”と

言ってた時代が懐かしい~)

 

商売上手な中国人ですから、ワーカー達は

当然”需要と供給”の関係をよく把握しており、

各会社を天秤に掛けているため、

よい条件のものが見つかれば、悪い方はキャンセル

と言うわけで、キャンセル率が高くなります。

 

今回は、中国の地域格差縮小を目の当たりにした

ワーカー募集の苦労に関するお話でした。

 

おまけ(ダンスの達人)

この前、愛娘の髪を切りに行ったのですが、びっくり!

 

その美容室、客寄せのためにある時間になると

店員を全員店の外に出し、大きな音楽をかけて

店員達を躍らせるのですが、

音楽と言えば、愛娘!

音楽を聴くとすぐに踊りだすダンシングフラワーみたいな

娘なのですが、この店でも同じ!

 

ダラダラ踊る店員達の列の前に行き

ガンガンお尻をフリフリしながら踊る愛娘!

 

この美容室の店員さんから近所の人たちの間でも

有名になってしまいました。

今回、髪を切りに行ったら、美容室の店長さんが

”お~ ダンスの達人が来た!”

と言ってきてビックリしました。 笑

 

(2021年加筆)

2021年の現在では、ワーカーさんの給料が高くなりすぎて

もはや中国で”ものづくり”をするのは無理なのでは?

と思ってしまうくらい人材募集が困難になってしまいました。

私のいるシンセン市では、5000元(約85000円)でも探すのは困難です。

給料が高くなってきたのもありますが、

やはり先進国と同じような、つらくて汚いような”3K”の仕事は

やりたくない!という若者が増えたのも理由のひとつだと思います。

さらに今後の中国の製造業はどうなるのでしょうね?