2026年5月19日、上海の日本料理店で刃物を持った男が3人を負傷させる事件が起きました。
日本の報道では「日本人2人を含む3人がけが」と伝えられ、
中国在住の日本人としても、かなり気になるニュースです。
ただ、このような事件を見る時に大切なのは、感情的に「反日だ」と決めつけることでも、
「中国は危ない」と一括りにすることでもありません。
中国ではどう報じられ、日本ではどう報じられ、海外ではどう見られているのか。
そこに、今の日中関係や中国社会の空気が見えてきます。
目次
上海の日本料理店で何が起きたのか
報道によると、事件が起きたのは上海市浦東新区の商業ビル内にある日本料理店です。
男は果物ナイフを持って店内に入り、3人が負傷。容疑者は59歳の中国人男性で、
警察にその場で拘束されました。
警察発表では、男の言動は混乱しており、精神疾患の治療歴があるとされています。
日本側の報道では、負傷者3人のうち2人が日本人で、
いずれも命に別条はないと伝えられています。
ここは在中日本人にとって、非常に気になる部分です。
上海は日本人も多く、日本料理店も多い街です。
私自身、中国に長く住んでいるので、
「自分が行っていたかもしれない場所で起きた事件」として受け止めてしまいます。
中国報道は「国籍を薄めた一般事件」として扱っている
今回、特に注目したいのは中国側の報道の仕方です。
中国メディアは基本的に、警察発表をもとに
「商業ビル内の飲食店で発生した傷害事件」として伝えています。
つまり、事件の場所や容疑者の状況、精神疾患の治療歴などは出す一方で、
「被害者が日本人だった」という点は前面に出していません。
これはかなり象徴的です。
日本人から見ると「日本料理店で日本人が刺された」という部分が
大きなニュースになります。
しかし中国側では、国籍よりも「個人による突発的な傷害事件」として
処理したいように見えます。
もちろん、これは私の現地在住者としての見方ですが、
中国の報道は社会不安につながる要素をかなり慎重に扱う傾向があります。
特に外国人被害、民族感情、反日感情に関わる可能性がある話題は、
報道の仕方が非常に抑えられることがあります。
反日感情を広げたくない中国側の事情
ここで一つ考えられるのは、中国政府としても「反日感情が強くなりすぎること」を
必ずしも望んでいないのではないか、という点です。
反日感情は一見すると、中国国内の愛国感情を高める方向に見えるかもしれません。
しかし、それが過熱すると、反日デモや社会不満の表出につながる可能性もあります。
さらに、デモや抗議活動は、最初は日本批判でも、
途中から「政府は何をしているのか」という国内批判に変わるリスクもあります。
中国政府にとって一番避けたいのは、管理できない世論や街頭行動です。
だからこそ、今回のような事件では「日本人が狙われた事件」として広げるよりも、
「精神疾患歴のある人物による一般的な傷害事件」として早めに処理したい。
そういう意図があるのではないかと感じます。
ただし、現時点で動機が明確に発表されているわけではありません。
反日目的だったと断定する材料はありません。ここは冷静に見なければいけません。
日本報道は「日本人被害事件」として扱う
一方、日本の報道では当然ながら「日本人2人が被害に遭った」という点が
大きく扱われています。
日本政府も中国側に対して、真相解明、再発防止、在留邦人の安全確保を
申し入れたと報じられています。
これは日本側としては当然の反応です。
海外で日本人が被害に遭った場合、
日本政府や日本メディアが「日本人の安全」を中心に報じるのは自然です。
さらに今回の事件は、過去の蘇州や深圳で起きた日本人関連の事件とも
結びつけて受け止められています。
2024年には蘇州で日本人母子が襲われ、
中国人女性が止めに入り亡くなる事件がありました。
また深圳では日本人学校に通う男児が刺され、亡くなる事件もありました。
AP通信やロイターも、これらの事件が在中日本人社会に不安を与えたと報じています。
そのため、日本側の報道が「また中国で日本人が被害に」と
受け止める流れになるのは、ある意味で避けられません。
第三国報道は「日中の報じ方の差」に注目
中国と日本以外の報道では、事件そのものに加えて
「中国側と日本側の報道の違い」に注目する傾向があります。
たとえば英語圏向けの報道では、
「上海の日本料理店で日本人2人が刺された」という事実とともに、
日本政府が中国側に安全確保を求めたことが伝えられています。
第三国メディアは、中国国内報道のように国籍を薄めるわけでもなく、
日本報道のように邦人保護だけを中心にするわけでもありません。
むしろ「中国側は一般事件として扱い、
日本側は日本人被害として扱っている」という構図そのものを見ています。
これは国際報道らしい視点だと思います。
事件の事実だけでなく、その事件を各国がどう意味づけるか。
その違いが、現在の日中関係を映しているとも言えます。
中国在住日本人として感じること
私は中国に長く住んでいますが、
日常生活の中で常に危険を感じているわけではありません。
中国の人たちと普通に付き合い、仕事をし、一緒に食事をし、
助けてもらうこともたくさんあります。
だからこそ、こういう事件が起きた時に
「中国人は危ない」と単純化するのは違うと思います。
多くの中国人は普通に親切ですし、日本人と良い関係を築いている人もたくさんいます。
一方で、「自分は大丈夫」と油断しすぎるのも違います。
海外に住む以上、危機意識は必要です。
特に人が多い場所、口論が起きている場所、様子がおかしい人がいる場所では、
距離を取る判断も大切です。
昔、空手の先生が「いざそのような場面に遭遇したら、一番いいのは逃げること」と
言っていたのを思い出しました。
強い人ほど、無理に戦わない。危険を感じたら、その場から離れる。
これは海外生活でも本当に大事な考え方だと思います。
在中日本人ができる現実的な安全対策
今回のような事件を受けて、私たちができることは、過度に怖がることではなく、
日常の中で少しだけ安全意識を上げることです。
たとえば、外食時には非常口や出口の位置を何となく見ておく。
店内で大声の口論や異常な雰囲気を感じたら、近づかない。
夜遅い時間の一人歩きや、トラブルが起きそうな場所は避ける。
家族や友人に、自分の居場所を時々共有しておく。
これらは特別なことではありません。でも、いざという時に差が出ます。
中国に限らず、どの国で生活していても必要な感覚です。
日中関係がこれ以上悪くならないことを願う
今回の事件について、現時点で「反日事件」と断定することはできません。
警察発表では精神疾患の治療歴がある人物による事件とされており、
動機については慎重に見る必要があります。
ただ、日本人が被害に遭ったことは事実であり、
在中日本人社会が不安を感じるのも当然です。
中国側には、真相の説明と安全確保をしっかり行ってほしいと思います。
同時に、日本側でも必要以上に感情を煽らず、
冷静に事実を見ていくことが大切です。
日中関係はただでさえ難しい局面が多く、
こうした事件が新たな対立の火種にならないことを願っています。
中国に住む日本人として、私が一番願うのはシンプルです。
日中関係がこれ以上悪くならないこと。
そして、中国に住む日本人が、安心して生活できる環境が守られることです。
今回の事件は非常に残念で不安を感じるニュースですが、
だからこそ冷静に、報道の違いを見ながら、
現地で暮らす一人として安全意識を持ち続けたいと思います。

おまけ(中国SNSインフルエンサー)
日本一時帰国前の4月の3連休で【Capcut】の使い方を研究し、
簡単な操作ならできるようになり、
中国SNS3媒体 具体的に言うと
①WeChatチャンネル
②中国のTikTok
③RED(小紅書)
に日本語関連の動画を投稿し始めました。
現在動画投稿し始めて約1か月が過ぎましたが、フォロワー数が
①WeChatチャンネル 561人
②中国のTikTok 204人
③RED(小紅書) 210人
と詳しくはわかりませんが、1か月目にしてはなかなかの滑り出しのようです。
飽きずにこの中国SNSインフルエンサー活動を続けていけるかな?
無理なく続けていきたいと、思います!







