中国のAI技術は急速に進化しており、特に最近は中国発の大規模言語モデル(LLM)が
登場し、ChatGPTと競争する時代になっています。
そこで今回は、中国のAI「Deepseek」とChatGPTを比較し、
それぞれの性能やデータの新しさ、情報の正確性について検証してみました。

目次
Deepseekとは?
Deepseekは、中国発の大規模言語モデルであり、
ChatGPTのように自然言語処理を駆使して質問に回答するAIです。
中国国内の企業によって開発され、主に中国語の精度を重視しているとされています。
Deepseekの特徴(メリットとデメリット)
メリット1 コストパフォーマンスと高速推論
軽量なモデル設計により、推論速度が高速で、低リソース環境でも動作しやすい。
特に中国語圏のユーザー向けに最適化され、ローカルビジネスシーン(金融、法律など)
への適応性が高い。
メリット2 数学・論理的推論タスク
数式処理、コード生成、論理問題解決に特化しており、STEM分野での精度が
高い傾向があります(例: DeepSeek-Mathモデル)。
メリット3 中国語処理の精度
中国語の文脈理解や文化的ニュアンス(例: 成語、ネットスラング)に強く、
中国語圏のユーザー体験が優れる。
メリット4 透明性とカスタマイズ性
一部モデルはオープンソースで公開され、企業向けにカスタマイズや
ファインチューニングが容易。
デメリット1 英語や他言語の対応不足
中国語以外の言語処理では精度が低下する場合があります。
デメリット2 創造性の限界
物語やアート志向の生成ではChatGPTに比べると硬い表現になりがち。
デメリット3 情報の鮮度
訓練データの更新頻度が低く、最新トレンドへの対応が遅れる可能性があります。
デメリット4 昼間のコアタイムにフリーズしやすい
利用者の多い昼間の時間帯は、フリーズして回答を得れない場合が多々ある。
ChatGPTの特徴(メリットとデメリット)
メリット1 汎用性と多様性
幅広いトピックに対応し、創造的な文章生成(物語、詩、アイデア発想)や
対話の自然さで優れる。
メリット2 多言語対応
英語を中心に100以上の言語をサポートし、国際的なユースケースに適している。
メリット3 大規模な知識ベース
膨大なデータで訓練され、最新の一般知識やトレンド情報を広くカバー。
メリット4 エコシステムの統合
OpenAIのAPIやプラグインとの連携が充実し、外部ツール(DALL・E、ブラウザ拡張など)
との統合が容易。
デメリット1 コストとリソース
大規模モデルのため、推論に高い計算リソースを必要とします。
デメリット2 中国語の微妙なニュアンス
中国語の文化的文脈や専門用語でDeepSeekに劣ることがあります。
デメリット3 論理タスクの精度
複雑な数学的問題やコード生成では、特定のタスクでエラーが発生しやすい。
デメリット4 有料版への誘導がある
無料版で使用頻度が高いと有料版への誘導または新しいチャットを開くよう促される。
DeepseekとChatGPTを実際に比較してみた結果
前回のバービィー・スー(大S)の死去に関する記事の調査(2025年2月第一週現在)で
実際にDeepseekとChatGPTに同じ質問を投げかけたみましたので、
DeepseekとChatGPTの回答から比較してみたいと思います。
参考記事
【バービィー・スー(大S)死去と日本流感報道の実態(メルマガ第562話)】
Q1)バービィー・スーについて教えてください
Deepseekの回答

ChatGPTの回答

DeepseekもChatGPTも回答内容は違うものの、どちらも正確に同じように
バービィー・スーの経歴を回答してくれた。
Q2) バービィー・スーの死因ついて教えてください
Deepseekの回答

ChatGPTの回答

ChatGPTは、正しく肺炎で死んだこと、死んだ日時も正確に回答した。
しかしDeepseekは、死因も日時も誤った回答であった。
さらに別の質問をした際、Deepseekは、2024年7月までの情報しかないと回答した。

つまりDeepseekは、使う情報がChatGPTに比べデータが古いようです。
よって、2025年2月現在では、ChatGPTのほうが情報が新しく、比較的良いように思います。
Deepseek VS ChatGPTの個人的な考察
データの新しさが鍵
AIの性能を語る上で「どれだけ最新のデータを持っているか?」は重要な指標です。
今回の検証からも分かるように、Deepseekは2024年7月までの情報に基づいており、
最新の出来事については対応が遅れる傾向があるようです。
一方、ChatGPTはより新しい情報を反映しており、
直近の出来事についても高い精度で答えることができました。
これが、ニュースやトレンドを追う際には大きな強みとなります。
セキュリティとプライバシーの懸念について
AIを利用する際、プライバシー保護の問題も重要です。
日本の報道では、特にDeepseekについては、中国政府がユーザーの個人情報を収集している
可能性が指摘されていますが、ChatGPTもアメリカの企業が運営している以上、
データが収集されるリスクはゼロではありません。
つまり、「中国だから危険、アメリカだから安全」とは一概に言えず、
どちらも一定のデータ管理方針のもとに運営されています。
今後、各国の規制が強まる中で、AIの利用方法にはさらなる注意が必要になるでしょう。
未来はどうなる?
Deepseekの技術はまだ発展途上ですが、中国国内では強力なバックアップを受けながら
急速に成長しています。
特に、中国市場に特化したサービスでは今後も存在感を増していく可能性があります。
一方、ChatGPTはグローバルな市場での競争を続けており、
今後も技術革新をリードしていくでしょう。
しかし、中国のAI技術がこの先どう進化するかは未知数であり、
Deepseekの性能が急激に向上する可能性も十分にあります。
また、中国では独自のAIエコシステムを構築する動きが加速しており、
今後はBaidu(百度)、Alibaba(阿里巴巴)、Tencent(騰訊)などの大企業も
AI分野でさらなる競争を繰り広げるでしょう。
特に、政府の支援を受けた中国企業が国際市場での影響力を増していく可能性もあります。
私の出す結論
結論:両方使い続けるのがベスト
現時点では、ChatGPTの方が性能的に優れていると感じましたが、
中国AIの進化を考えるとDeepseekも無視できない存在です。
私としては、今後も両方のAIを活用しながら、それぞれの強みを比較して
いきたいと考えています。
AI技術の進歩は日進月歩であり、数年後には立場が逆転している可能性もあります。
これからも中国のAI業界の動向をウォッチしながら、
最新の情報をお届けしていきたいと思います。
今回は、中国発AI DeepseekについてとChatGPTとの比較に関するお話でしたとさ
おまけ(花粉が心配。。。)
私は、4月の中国”清明節”休暇に有給休暇をくっつけて
3月下旬から4月上旬にかけて日本の一時帰国することになりました。
しかし。。。
日本を離れて中国に来て、よかったこと悪かったこといろいろとありますが、
中国に来てよかった事の一つに、”花粉が飛んでない”があります。
花粉は飛んでいるとは思いますが、私の持つ花粉症の花粉とは違うようなので
目がかゆくなったり、鼻水ズルズルの花粉症に悩まされることは
中国に来てなくなりました。
とはいえ、今回は妻の日本在留カードの更新手続きなど
日程を変更するわけにはいかないため、
花粉がバンバン飛ぶ時期に日本一時帰国しなければなりません。(悲)
日本への一時帰国はいつもうれしいのですが、
花粉だけが心配です。
どうなることやら。。。